web大岡村誌 植物・哺乳動物
大岡村の哺乳動物 最近復活してきた獣たち

最近増えてきた動物、新しく入ってきた動物
1.田畑の大敵−イノシシ
 イノシシはツキノワグマとともに日本を代表する大型獣です。かたい鼻づらで土をほりおこし、植物の根や地下茎食べます。ひろい畑でも一晩でほりおこしてしまうため、イノシシによる作物への被害は深刻です。イノシシは泥地にねころがり、体に泥をつける習性があります。そのあとがイノシシの“ぬた場”です。イノシシは集団生活をし、群れで行動します。追われると一山二山は平気で走りとおして逃げていくそうですが、そのコースはきまっていて経験をつんだ猟師は先まわりをして待ちぶせてとらえます。イノシシの前足は短いため、あまり雪の深いところにはすめません。
 大岡村をふくめ、長野県の中部はイノシシが生活できる場所ですが、病気の流行のために、一時その数を激減したものと思われます。しかし、最近また、その数を増やしています。大岡村でも、村の南半分の全域で目撃情報をいただいております。そのほとんどが田や畑を荒らされてしまったという情報でした。また、こひじり神社の裏山では、100m以上にもおよび、登山道をイノシシが掘り起こしたあとを確認しました。農作物への被害がとても心配なけものです。
イノシシに掘り起こされた落ち葉の積もる登山道

2.天然記念物を取り消されたけもの−ハクビシン
 日本で唯一のジャコウネコ科の動物です。台湾やインドなどではよくみかける動物で、形はタヌキに似ていますが、尾がながく、顔の中心に白いスジがあります。1975年、県の天然記念物に指定されました。日本では、1943年に静岡県ではじめて発見され、その後、東北地方、四国ととびとびに見つかっています。このようなことから、人間によって外国からもちこまれた動物ではないかと考えられています。
 長野県でも1955年に静岡県に隣接する下伊那郡でみつかり、ついで1971年に木曽谷でも確認されました。また、山梨県では1955年ごろに甲府盆地で発見されています。佐久地方では、野辺山で1969年に2頭が捕獲され、さらに、1978年には、八ヶ岳北方の蓼科高原で保護されています。1990年10月には立科町の姥ケ懐でも確認されています。ハクビシンの北上は続き、現在では、上田市(1997年)、長野市(1996年)、飯山市を経て、新潟県でもその生息が確認されています。大岡村でも長野市でハクビシンが確認された七二会地区に犀川に沿ってつながる村の南西部で4例の目撃情報をいただきました。庭に出てきたハクビシンに驚かされたという情報もいただきました。
 ハクビシンは昭和50年、下伊那の一部にしかいない「珍獣」ということで、県の天然記念物に指定されました。しかし、ナシやリンゴなどの果物が大好物で、しかも木登りが得意なので、果樹への被害がみるみる拡し、ついに平成7年に天然記念物の指定を解除されました。長野県で平和に暮らせたのも20年間でした。
 
3.ニホンザル
 世界に250種類以上いるサルのなかまの中で、もっとも北に分布するサルがニホンザルです。北限のサルとして学術的にも貴重な動物です。本州では、青森県の下北半島まで分布しており、北海道にはすんでいません。ニホンザルは社会構造をもった群れで生活しています。群れはリーダーの雄ザルのもとに、雌と子どものサルによる中心部、それをとりまく若い雄ザルによる周辺部からできています。また、群れから離れて生活している“離れザル”もみられます。木の芽や葉・果実・昆虫などを食べていますが、きびしい冬の間は木の皮や小枝までえさにしています。
 大岡村では、聖沢川沿いで2例の目撃例をいただいた。餌を求めて犀川沿いを移動してきた離れザルが、沢を登ってきたものと思われる。情報量からみて、大岡村にはあまり多く生息していないものと思われる。