web大岡村誌 植物・哺乳動物
大岡村の哺乳動物 きつねぼりを掘った獣たち



「きつねぼり」を掘ったけものたち
 「高鷲山聖権現之縁起」には、キツネ堀のお話が載っています。学道さまのお墓の前で、弟子の利生が祈祷を行ったところ、学道さまの力によって雨が降り、その夜、キツネやタヌキ、ウサギ、モグラなど山の動物が力を合わせて水路をつくったというお話です。大岡村では、遠い昔よりキツネやタヌキ、ノウサギなどは身近なけものだったのでしょう。
1.トウモロコシが大好物−タヌキ(食肉目 イヌ科)
                        タヌキは都市部の市街地から、農村部、山間地、高原の観光地までひろく分布しています。えさはおもに人家からの残飯やトウモロコシなどの農作物です。昼のあいだはササやぶや人家の縁の下、石の積んである中などにじっとしており、日没直後から日の出直前まで活動します。夜活動しているあいだにも、うずくまって寝ることがあります。
昼間のすみかを泊まり場といいますが、泊まり場のちかくには、トウモロコシや残飯などをもってきて食事をする場所や、ため糞場があります。タヌキは、何匹もが、おなじ場所に糞をするので、糞が山のように積もります。それをため糞といい、タヌキの生息を知る手がかりのひとつになります。大岡村でも、村の全域で情報をいただいたり、生活痕跡を確認することができました。トウモロコシ畑など畑での目撃例、道路で交通事故にあったタヌキをみたという情報が多く得られました。
2.「きつねぼり」を掘った?−キツネ
 体の形はイヌににていますが、尾がふとく、先の方が白い毛になっています。足跡は、イヌより細長く、ほぼ一直線にならんでつきます。 春、河川敷や草原、林の斜面に掘った巣穴で子どもをそだてます。
大岡村でも、平成12年春、中牧のお宅の畑に、キツネが巣穴を作り、巣穴から出て元気に遊ぶ子ギツネがテレビで紹介されました。その他、たくさんの目撃情報をいただきましたが、親子や家族であらわれたという情報をいくつかいただいています。また、キツネはネズミやモグラの駆除のために、かつて大岡村に放されたこともあるそうです。「きつねぼり」の民話や地名の残る大岡村では、昔から、キツネは身近なけものだったものと思われます。
 
3.ウサギ追いしは昔の話−ノウサギ
 ノウサギは完全な草食性の哺乳動物です。キツネやイタチ、テンなどの哺乳動物や、ワシ・タカなどの猛禽類の食物としてかかせない動物でもあります。ノウサギは、ほとんど単独で行動し、きまったねぐらももちません。林の中の岩かげ、株の間の穴、やぶの中やススキの中にもぐりこんで休息します。この点が穴をほってねぐらにするカイウサギとちがっています。
 
大岡村では、村の中心部から、聖ヶ岡スキー場まで、ほぼ全域で雪上の足跡を確認できました。しかし、生息範囲は広いものの、足跡の密度はけっして高くありません。かなり歩き回らないと足あとを見つけることができません。「ウサギ追いしかの山」は、もう昔のことなのでしょうか。県下でもノウサギは減少していますが、山の手入れが充分になされなくなり、藪が増えてしまい餌となる雑木や草花が減ったこと。捕食者であるキツネなどの肉食獣が豊富な残飯により養われ、個体数を減らさないことなどが原因ではないかと思われます。

4.高原の人気者−リス
 カラマツ林にあそぶリスは、観光地や別荘地のシンボルともいえます。ここ大岡村でも全域でその姿をみることができます。樹上生活をするリスは、地上ではせいぜい1.5mぐらいしかとべませんが、木の上では枝から枝へ3〜5mもとぶことができます。巣もカラマツなどの樹上に小枝をしきつめてつくります。
 リスの主な食べ物はアカマツやカラマツの種子、クルミの実などで、とくに夏から秋にかけてはそれらを集めて土の中にうめ、晩秋から、翌年の実がなる時期がくるまで、それをほりだして食べています。樹上生活者であるためキツネなどの天敵にはねらわれにくいのですが、森林の伐採や開発の影響を受けやすい動物であります。