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大岡村の哺乳動物 シカとニホンカモシカ

“シカ”と名前がつきますが、それぞれ違うなかまです。
 ニホンジカとニホンカモシカは、ともに“シカ”という名がつき、大きさもにかよったけものです。しかし、ニホンジカはシカのなかまですが、ニホンカモシカはウシのなかまです。生活の様子も少し違っていますのでみてみましょう。
 
1.大岡村に広く分布するーニホンジカ
ニホンジカは、メスを中心とした群で生活しており、その点で単独生活者のニホンカモシカとちがっています。万葉集に「奥山に もみじ踏みわけ鳴く鹿の・・・」と歌われていますが、秋の発情期には、ピューウというよびあうときの鳴き声がきかれます。シカにとっては、悲しくて鳴くのではなく、むしろ求愛の楽しい歌なのです。発情期がすぎるとオスは単独生活にうつることが多のですが、メスは若いシカとともに群生活をつづけます。農耕地につづく低山帯の広葉樹林が生活の場で、大岡村では全域で目撃情報をいただきました。やはり、おすジカ1頭での目撃例、あるいはメスと思われる親子連れや、4頭の群での目撃例が多かったです。目撃された場所は、林道や夜の県道、田や畑の中が多いです。中には、田畑を荒らされた例もあり、農作物への被害が心配されます。餌を求めて移動生活するニホンジカは大岡村ではなく、長野市の信更地区や茶臼山でもしばしば目撃されるようになってきました。
 
2.生きた化石ーニホンカモシカ
 ニホンカモシカは、古いかたちの動物で「生きた化石」ともいわれます。昭和30年に国の特別天然記念物に指定されました。また、長野県のけものとしても親しまれてきました。やっと保護の手がさしのべられたと思っていると、最近では植林木をあらす害獣として駆除される地域さえでてきました。「シカ」の名がつきますが、実はウシのなかまです。とても温和でおとなしい動物です。ニホンカモシカはニホンジカとちがい“なわばり”を持ち、きまった範囲の中で生活しています。その単位は、つがいとその子どもの3頭、または母子の2頭ですが、単独で生活するものもいます。食物は木の葉や小枝・草などですが食物の多い地域と少ない地域では、なわばりの大きさがちがいます。アルプスのように冬期間のえさの確保が容易でない所では、広大ななわばりが必要になります。
 大岡村では、分布図をみると分かるように、村の南西部に目撃情報が集中しています。なわばりをもって生活しているニホンカモシカは、ニホンジカのように大きく移動しないこと。柔らかい草や幼木の生える伐採跡地を好むこと。なわばりの中に、崖やガレ場などの逃げ場が必要なことなどが影響しているものと思われます。